歯間ブラシとは?種類や目的に合わせた選び方を解説

歯間ブラシが並んでいる

歯と歯の間は、歯ブラシだけでは汚れが落としきれない場所です。実際、歯ブラシによる清掃では歯面の約半分しか磨けず、取り残した汚れが虫歯や歯周病の原因になることも少なくありません。そこで役立つのが「歯間ブラシ」です。

歯間の広さや歯ぐきの状態に合わせて選べるよう、素材・形状・サイズが豊富に展開されており、適切に使えば歯ブラシでは届かない汚れを効率よく除去できます。しかし、種類が多いからこそ、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も多いでしょう。

本記事では、歯間ブラシの種類や特徴、選び方のポイントをわかりやすく紹介し、自分に合ったケア方法を見つける手助けをします。

歯間ブラシとは

通常の歯ブラシだけでは、歯と歯の隙間や歯周ポケットまわりの汚れ(プラーク)は落としきれず、虫歯や歯周病の原因になりやすいとされています。実際、歯ブラシだけでは歯面の約50%しか清掃できず、歯間ブラシを併用することで歯垢除去率が約85%に改善するという報告もあります。

歯間ブラシは、歯と歯の間の比較的広い隙間や、歯茎が下がって歯根が露出した部分、矯正器具の周囲、ブリッジの下など、歯ブラシでは届きにくい場所の清掃に適しています。

歯列や年齢、歯肉の状態によって「歯と歯の間の隙間」が人それぞれ異なるため、歯間ブラシは「適切なサイズ・形状を選ぶこと」が重要です。本記事では、歯間ブラシの種類や特徴、それぞれの選び方、使い方について詳しく解説します。

参考:日本歯科医師会 歯とお口のことならなんでもわかる ブラッシング

種類と仕様の違いは?

歯間ブラシには、使用者の状態や好みに応じてさまざまな種類があります。主に素材 (ワイヤー or ゴム)、形状 (ハンドル、ブラシ形状)、サイズ(太さ・隙間対応)が異なり、それぞれにメリットと留意点があります。ここでは、それぞれの違いについて解説しましょう。

ワイヤーかノンワイヤーか

歯間ブラシの素材は、一般的にワイヤーとノンワイヤーの2種類に分けられます。

まずワイヤータイプは、ナイロン毛を金属ワイヤーで固定した構造が一般的です。ワイヤーのしなりとブラシの剛性によって、歯間や歯根部分の頑固なプラークを効率よくかき出せるため、歯周病予防やブリッジや矯正器具まわりの清掃にも強みがあります。多くの歯科専売ブラシもこの構造をしています。

続いてノンワイヤータイプは 柔軟性のあるゴム素材でできており、歯や歯肉に当たっても痛みや刺激が少ないのが特徴です。歯間が狭かったり、歯肉が弱っている人、初めて歯間清掃を行う人でも使いやすく、継続しやすい利点があります。最近では、ゴムタイプでも清掃効果がワイヤータイプとほとんど変わらないという報告もあります。

つまり、清掃力を重視するならワイヤーを、使い心地や継続しやすさならゴム、というように目的に応じて使い分けるとよいでしょう。

歯間ブラシそのものの形状

歯間ブラシのハンドルやブラシ形状にも種類があります。

I字型(ストレートタイプ)はペンのように真っ直ぐな形状で、前歯や口前方の歯間、比較的アクセスしやすい箇所の清掃に向いています。操作が直感的で使いやすいため、はじめての人や前歯中心のケアに適しています。

続いてL字型(角度付きタイプ) は、 ブラシ部分が直角に曲がった形状です。上・下顎の奥歯の裏側、歯列の奥まった場所など、I字型では届きにくい部位を狙いやすいのが特徴です。特に奥歯や歯列の奥の清掃に適しています。

多くの歯科衛生士は、前歯などの手前は I字型、奥歯など口の奥は L字型というよ、部位によって使い分けることを推奨しています。場合によっては、I字型を少し曲げて L字に近づけて使う方法もあります。

適切な歯間ブラシの選び方

歯間ブラシの種類をおさえたところで、続いては選び方をみていきましょう。下のポイントを基準に、自分の口腔状態や使用目的から選んでみてください。

歯と歯のすき間の広さを確認する

隙間が狭ければSSS~SS、広ければM~Lサイズを試します。ワイヤーが無理なく通るか、また通ったとにブラシがほどよく前歯に触れて汚れをかき出せるかが目安です。

歯や歯肉に引っかかって痛みが出るようであれば、ワイヤーの太さを細く変えましょう。特にはじめて歯間ブラシを使う方は、なるべく細いものを選ぶのが望ましいです。

目的や用途に合わせる

歯周病予防や歯茎の健康維持、ブリッジや矯正器具周りの清掃なら、ワイヤータイプのM~Lサイズがおすすめ。痛みが気になるときは、細めのもので素材はゴムタイプが適しています。

前歯を中心に手軽にケアするならI字型、奥歯や歯列の奥ならL字型がおすすめ。手に持ったときに取り回しがききやすいかどうかも合わせてチェックしてみましょう。

使いやすさも重要

歯間ブラシでのケアは、続けることが何よりも重要です。痛みやストレスを感じず、毎日使いやすいものを選ぶことが、結果的に口腔内の健康につながります。

また、1本のブラシだけですべての部位のケアを行うのは困難です。使いにくさを感じる部位が合ったら、必要に応じて複数の歯間ブラシを使い分けるのも良いでしょう。

正しい使い方と注意点

歯間ブラシは、正しい使い方をしてこそ効果が得られます。誤った使い方をすると、歯茎や歯を傷つけたり、プラークをかえって押し込んでしまう恐れがあります。以下は基本的な手順と注意点です。

  • 歯磨き後、歯間ブラシを鉛筆を持つように持ち、鏡を見ながら歯と歯の間にゆっくり挿入する。無理に力を入れず、歯肉に当たらないよう注意。
  • 挿入後は、歯の面に当たるようにして数回前後に動かし、プラークをかき出す。奥歯は、頬側・舌側の両方から丁寧に動かすと効果的。
  • 使用後は流水でよく洗い、乾燥させて清潔に保つ。ブラシの毛が開いたりワイヤーが変形したら交換を。平均して 7~14回の使用で交換するのが目安とされている。
  • 無理に挿入したり回転させたりすると、歯や歯茎を傷める原因となる。無理をせず、優しい力でのケアを心がける。

使用している最中に傷みが出たり、出血が止まらなくなったりしたら、無理をせずに歯科医師や歯科衛生士に相談するのも大切です。自己判断をせずに、かかりつけ医に相談しましょう。

まとめ

歯間ブラシは、素材(ワイヤー・ゴム)、形状(I字型・L字型)、サイズ(SSS〜L)など多くの種類があり、口の状態に合わせて選ぶことが大切です。隙間の広さ、歯ぐきの健康状態、矯正器具やブリッジの有無などによって適切なタイプは異なります。

正しいサイズと形状を選び、無理なく使えるものを習慣化することで、歯ブラシだけでは落とせない歯間のプラークを効果的に取り除けます。また、歯間が狭い部分にはフロス、広い部分には歯間ブラシと使い分けることで、より高い清掃効果が得られます。

自分に合った歯間ケアを取り入れ、毎日の口腔環境をより健康に保ちましょう。