歯槽膿漏

歯槽膿漏(しそうのうろう)は、歯周炎のひとつです。歯槽膿漏は古くから慣用的に使われている呼び方です。歯槽は歯根が収まっている顎の骨の穴を指しており、この歯槽や歯周ポケットから膿の排出が見られる症状を歯槽膿漏としています。現在では歯茎の炎症を歯肉炎、深部まで炎症を起こしている場合に歯周炎、これらをまとめて歯周病と呼んでいます。そのため、「歯周炎のうち、歯槽膿漏の症状が出ている」といった分類が正確と言えます。

歯槽膿漏は膿が排出されている状態で、歯周病後期の最も進行した段階とされています。歯がぐらついていることや、口臭が発生していることも多く、放っておくと歯が抜け落ちてしまうこともあるそうです。また、歯茎が炎症している状態ですので、そこから細菌が入り込み、全身の病気として悪影響を与えることもあります。そのため、早急に歯科で治療を受ける必要があるのです。歯槽膿漏は、歯垢の中に生息している細菌が原因です。この細菌は毒素を排出し、歯茎の炎症を引き起こします。長期間、歯茎が毒素のダメージを受け続けると、歯の土台が溶けて弱ってしまい、歯槽膿漏になるのです。歯磨きが充分でない場合や、他にも喫煙などの生活習慣、ストレスが多い場合に起こりやすくなります。特に五十代以上であれば、約半数が歯槽膿漏になっているというデータもあるそうです。早い段階からオーラルケアを行い、正しい歯の磨き方を身につけておく必要があります。歯槽膿漏を防ぐための歯の磨き方は、歯と歯茎の間を意識することが大切です。歯磨き粉の薬用成分を利用し、歯と歯茎の間をマッサージするように毛先をすべらせていきましょう。正しい歯の磨き方は、歯科で指導を受けられます。